パーソルキャリアコンサルティング
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事例紹介

自身のキャリアについてより深く考える場を提供し、一人ひとりがキャリア自律を実現するために。

旭化成株式会社

旭化成株式会社

社名:旭化成株式会社
事業内容:1922年創業の総合化学メーカー。ケミカル・繊維事業、住宅・建材事業、エレクトロニクス事業およびヘルスケア事業の4つの事業領域でグローバルにビジネスを展開しています。
URL:http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/
※所属・役職等は取材当時のものです。

経営管理職向けキャリア研修のさらなる拡充を目指して

--経営管理職層への人事施策への取り組み状況を教えてください。
(海南氏)当社では、能力とやる気のある社員が、定年後も活き活きと働き、本人のやりがいと事業への貢献が両立できる環境を作っていくことを大きなねらいとして、2001年から再雇用制度を導入し、その後も、社会情勢や経営状況の変化に合わせて制度改定を進めてきました。その一方で、経営管理職の再雇用が増え、社内やグループ内に多数の職務を用意することが課題となっています。また、大量採用期世代の社員が50代に近づきつつあり、部課長のポストも限られることから、今後、これまでと同じようなポジションを十分に提供できなくなることも懸念されています。
そこで当社では、経営管理職が社内外で活躍し続けるだけでなく、定年後もその知識や経験を社会で生かしてもらえるように、職務開発をはじめとするさまざまな施策に取り組んでいます。わたしが所属する人事部 人事室 キャリアサポート担当は、その支援を行うための部門です。
--経営管理職向けのキャリア研修を導入されることになった背景を教えてください。
(海南氏)経営管理職は、文字どおり当社のリーダーたちですから、その働きぶりは事業成果に直結しますし、社内の雰囲気にも大きな影響を与えます。一人ひとりが60歳以降になっても引き続き働きがいを感じながら、活き活きと業務に取り組み、ひいては事業に貢献し続けていただくことが肝要です。とはいえ、50代以降になると自身や家族の状況も含めてさまざまな事情があり、将来に対する希望もそれぞれ異なります。それぞれの希望に添えるように、キャリアについても多様な選択肢を設け、自ら選択していただくことが大事です。
そこで、定年後の60~65歳の間も旭化成グループで働き続けてもらう前提で再雇用制度を運用しているものの、それ以外にも、定年を待たずに社外で活躍したいという方には「転進支援制度」や「セカンドキャリアチャレンジ制度」を、今後のキャリアについて相談をしたい方に対して社内のキャリアアドバイザーがキャリア相談を行う「キャリアアドバイス制度」を設けて、一人ひとりにとって最も望ましい形でキャリアプランを実現できるように、さまざまな支援を行っています。
そうした取り組みの一環として、以前は52歳時にキャリア研修を実施しており、スタート時からPCCにお願いしていました。この研修は、受講者の評判が良く、アンケート結果を見ても満足度が高かったのですが、さらなる拡充を目指すために内容を再検討することになりました。

課題や企業風土を深く理解したうえでの提案と対応力を高く評価

--従来の52歳時のキャリア研修はどのような改善が必要だったのでしょうか?
(海南氏)大きな問題があったわけではありません。ただ、キャリアプランとライフプランの両方を1日で実施していたため、内容が詰め込み気味になっていました。また、受講対象の方々には、1年でも早く今後のキャリアの多様な選択肢に気づいてもらうべきですが、あまりにも早いタイミングでは、定年後のライフも含めたキャリアプランの重要性をなかなか実感できません。
そこで、52歳時のみだった既存の研修を、新たに「50歳」と「55歳」の2回実施する研修に再構築したうえで、「50歳」ではテーマをキャリアに絞り込み、「今後、仕事にどのように向き合っていくのか」を考えるきっかけにしてもらい、「55歳」ではその後の環境や気持ちの変化をベースに、ライフの視点からも将来を見据え、「真に自分らしい」キャリアプランを検討するきっかけにしてもらうという方針を立てました。
つまり、この二つのキャリア研修を通じて、自身のキャリアと向き合うことの大切さを理解してもらうとともに、自分のキャリアを会社任せにしてしまうのではなく、自ら選び取ってもらおうということです。
--PCCのキャリア・マネジメント・プログラムを導入された理由をお聞かせください。
(海南氏)選定に際しては、複数社を比較検討してPCCの研修を導入することにしました。
その理由は、当社に対する深い理解と提案内容、そして柔軟な対応力です。打ち合わせを繰り返すなかで、当社の人事制度だけではなく、直面している人事面の課題や企業風土を的確に押さえた提案をしていただけました。これなら、さまざまな経験を有する経営管理職も受け入れやすいように思えました。キャリア研修は、一人ひとりの心にも触れることになりますから、当社のことを深く理解し、受講者の心に寄り添った内容であることが重要と考えました。もちろん、研修コンテンツそのものの評価も高かったのですが、一番の選定理由は、受講者が安心して自身のキャリアと向き合える研修内容だったからです。もう一つ、講師陣の魅力も見逃せません。ファシリテーションスキルはもちろん、プロ意識が高く、実話を交えた話は興味深く、そのうえで講師それぞれに個性があって受講者を惹きつける魅力をお持ちであることは、以前の研修のときから分かっていましたが、今回あらためて講師面談などを通じて実感しました。

受講者の満足度が高く、キャリア面談の利用希望者が増加

--実際に受講された方の反応はどうでしょうか?
(海南氏)まず言えるのは、「参加して良かった」という口コミが社内に広まっていることです。ただでさえ忙しい社員に、いかにして受講してもらうかが以前からの課題でもあったのですが、実際に研修を受講することで、自身のキャリアと向き合うことの大切さを理解してもらえました。
受講後のアンケートを見ると「受けて良かった」「自分のキャリアを真剣に考えるきっかけになった」という回答がほとんどだったこともあり、新たな50代向けのキャリア研修実施の手応えを感じています。
--その他に効果として感じられることはありますか?
(海南氏)キャリア研修を受講後、今後のご自身のキャリアプランに関する意識が高まり、社内のキャリアアドバイザーとのキャリア面談を希望する方が増えました。また、研修にはキャリアアドバイザーが必ず同席し、その際に顔を覚えてもらうことでキャリア面談が利用しやすくなるように工夫しています。実際に、研修後に「あのときお世話になったのですが…」とキャリア面談の依頼を受けるケースが増えています。
部長以上の経営管理職については、全員が56歳でキャリア面談を受ける制度に変わったこともあり、今後『55歳時の研修』を受講した翌年にキャリア面談を行うという流れになります。研修で得た気づきを基にキャリア面談が実施できるので、今後のキャリアプランを検討する際の視野が広がるという効果を期待しています。

キャリア研修とキャリア面談をキャリア自律のための両輪に

--今後の取り組みと、PCCに対する期待をお聞かせください。
(海南氏)経営管理職は旭化成グループを支える幹部であり、リーダーとしての知見や経験、能力を備えています。60歳を過ぎても社内外で活き活きと働く姿を若手社員に見せることで、良きキャリアモデルになるでしょうし、育成にもつながっていくでしょう。今後はキャリア研修とキャリア面談をキャリア自律のための両輪として、さらに注力していく方針です。
そうした取り組みをさらに進めるためにも、PCCには、良質な研修の提供を引き続きお願いしたいと思っています。社内でやり取りするような生々しい内容や言葉で要望を出すこともあるのですが、それらにしっかりと対応いただいており、今後も良きパートナーとして一緒に取り組んでいきたいですね。