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事例紹介

「部下の未来を応援する上司」が増えた
独自の管理職向けキャリア研修で実現する意識変革

CTCテクノロジー株式会社

人事の粘り強い発信と独自のキャリア研修が組織を変える

自らのキャリアを主体的に展望し行動につなげる「キャリア自律の意識」は、その状態や世代、
役職によって浸透度に差が出やすいものです。また、個人へのキャリア支援の拡充だけではなく、
部下のキャリアを支援する上司側の理解を広げることにも難しさを感じている企業も多いでしょう。

CTCグループの中核企業として保守や運用、構築、IT教育の各種サービスを提供するCTCテクノロジー株式会社では、2020年前後から、幅広い世代へのキャリア支援に取り組んできました。しかし当初は管理職層の理解が進まず、苦労を重ねたといいます。

それでも「キャリア自律は組織パフォーマンスと企業業績を高める」というメッセージを継続的に発信し続けた結果、管理職層をはじめ、一般社員にまでキャリア自律意識が浸透してきました。特に管理職層に関しては、現在、パーソルキャリアによってカスタマイズされた独自研修を実施し、部下・上司双方の意識に変化が生まれています。一連の取り組みを推進する人事部門の鈴木孝夫氏と兼子敦氏、そして研修を受講した黒川桂子氏に、組織を変えるキャリア研修の実践知を聞きました。

CTCテクノロジー株式会社

兼子 敦氏
人事部人材開発課 課長 
2025年中途入社。前職における人材開発コンサルタント経験を活かし、新人から管理職層まで、多岐に渡る人材開発・組織開発業務に従事(国家資格キャリアコンサルタント)

鈴木 孝夫氏
人事部人事企画課 人材開発課(兼)
1985年入社。保守エンジニアを経てテクニカルサポート部門で管理職を経験した後、人事部にて階層別研修やキャリアデザイン研修などの研修企画。社内公募制や再雇用制度、などの制度設計とその現場支援、キャリア面談を主に担当。(国家資格2級キャリアコンサルティング技能士/メンタルヘルスマネジメント検定I種(マスターコース))

黒川 桂子氏
テクノロジーアカデミー アカデミー企画課 課長 
2020年中途入社。社内研修や育成施策、スキル可視化の企画・運営に従事。2023年度より社内キャリア相談の人事施策に相談員として参画。(国家資格2級キャリアコンサルティング技能士)

上司側・部下側ともに、キャリア自律の重要性が浸透していなかった

鈴木氏:当社では、2019年から50代向けのキャリア研修を開始しました。私自身も2020年にキャリアコンサルタントの資格を取得し、キャリア教育に携わるようになりましたが、当時はまだ「キャリア自律」という言葉が一般的ではなく、その重要性への理解が社内で広まっていませんでした。

当社にはこれまでのキャリアや業務量、稼働状況を登録し、部署異動の希望を申請できる仕組みがあります。しかし、2020年頃は多くの社員が部署異動希望について「希望なし」「今のままでいい」としている状態で、自分のキャリアを考えること、また希望のキャリアに向かって行動できる環境を整える必要がありました。

2021年には、30代向け・40代向け・50代向け・管理職向けの4種類の研修を立ち上げ、キャリア面談も開始しました。ところが上司側の理解をなかなか得られない状況が続きました。外部講師を招いてオンラインでキャリア自律セミナーを実施した際には、管理職層から「このセミナーには何の意味があるのか」「キャリア自律を支援すると優秀な人材が辞めてしまうのでは」という声も上がったほどです。

それでもめげずに取り組みを続けました。研修導入の前には、上司側と受講者側の双方に説明会を行い、取り組む意義や目的を丁寧に共有しました。その結果、以前は戸惑いや懸念の声もあった研修が、納得感をもって受け入れられ、前向きに受講してもらえるようになってきたと感じています。

世の中の風潮が変わってきたことも大きいでしょう。管理職に向けては「時代が変わり、これからの上司には、部下のキャリア自律を受け止め伴走していくことが求められている」と伝え続けてきました。説明会の際にはパーソル総合研究所のデータなども活用し、「キャリア自律が進むと組織のパフォーマンスが高まり、企業業績が向上する」と意義を語りました。

兼子氏:私は2025年に入社したばかりでまだ日が浅く、こうした歩みをともにしていませんが、キャリア自律の重要性を浸透させてきた歩みは本当に重要だったと感じます。5年にわたる積み重ねがあったからこそ、管理職のハートに火が付いたのではないでしょうか。

これまでの積み重ねを経て、2023年からパーソルキャリアコンサルティング(現パーソルキャリア)へ、新たな研修とキャリア面談の実施について相談することとなったのです。

自社特有の「あるある部下」のペルソナも設定し、独自の管理職向け研修へ

鈴木氏:パーソルキャリアとともに設計・実施しているキャリア研修ではまず、「自身のキャリアに向き合う」個人セッションを設け、他の参加者とシェアして新たな気付きを得てもらっています。

その上で、上司として「キャリア」を共通言語に部下と向き合うための方法を、ロールプレイを通じて理解していきます。キャリア面談を実践する際のさまざまな部下への対応について、ケースを用いたシミュレーションワークも行っています。

私は、研修会社のパッケージをそのまま提供するのではなく、アレンジしていくことが大切だと考えてきました。パーソルキャリアは柔軟に、当社独自の研修としてカスタマイズしてくれています。

直近の例では、上司・部下のロールプレイを行う際に、いかにも当社にいそうな「あるある部下」のペルソナを細かく設定してもらいました。また、部署異動希望を出す部下が徐々に増えていることもあり、その際の上司の対応について研修内で学べるようにもしてもらいました。このように、共同作業で研修を作れるパートナーは多くありません。

アップデートしているポイントは他にもあります。私たちのようにキャリアコンサルタントの資格をもっている人事はキャリア面談に慣れていますが、一般的な管理職はそうとは限りません。そこで、課長向けにキャリア面談で投げかける問いを学んでもらうコンテンツも設けました。

「WILL・CAN・MUST」のフレームでキャリアを考えてもらうために、当社のパーパスを踏まえた面談ロールプレイも行っています。上司側が単に傾聴の練習をするだけでなく、部下に対してパーパスに基づいた期待のメッセージを届けられるようにしたのです。

こうした工夫があるからこそ、当社独自のキャリア研修として意義を高めてこられたのだと思います。

ロールプレイで部下の視点を学び、1on1での問いかけが深まった

黒川氏:管理職の1人としてキャリア研修に参加しました。

私自身はキャリアコンサルタントの資格を持っており、キャリアを支援する側の視点は持っているつもりでしたが、いざ自分が上司として部下と向き合う当事者になると、なかなか難しいと感じる面もあります。

私の課は業務柄ベテランの部下が多く、50代のメンバーもいます。若手は大学などでキャリア教育を受けてきていますが、ベテランは「会社が示すレールに乗ってキャリアを築くべき」という意識が強い傾向があり、そうした部下とどう接していくべきか悩んでいました。

ベテランになると、10年後のキャリアを考えようとしても、定年前後のタイミングと重なるため将来像をイメージしづらいこともあります。年下である私が、自分の人生経験を踏まえてアドバイスできることは少ないです。

そうした課題意識を持って研修に臨みました。

印象に残っているのは、研修で示された「9タイプの部下ペルソナ」です。その内容がとてもリアルで、単なる知識としてインプットするだけでなく、実践的に使えるスキルを学ぶことができました。

研修では、私が「定年後の再雇用者」という部下役になってロールプレイを行うこともできました。立場を変えることで部下の視点を理解できるようになったと感じています。研修後、部下と1on1などの機会で会話する際に、この学びが役立ちました。

1on1の意義を再認識し、自己理解を深めるセッションの効果

黒川氏:そもそも研修を受けるまでは、定期的な1on1をなかなか実施できていませんでした。年上の部下には1on1の意義を感じていない人も多く、いざ対話の場に臨んでも、業務の進捗確認にとどまってしまいがちだったんです。

そこで研修後の1on1では、「キャリア研修に参加して、こんなことを学んできたんです」と会話のきっかけを作り、部下の強みを再発見しながら接するようにしました。部下の視点を学んだことで、これまでとは異なる問いかけができるようになったと感じます。

また、研修では「自己理解」を深めるセッションも設けられ、他部署の課長たちのキャリア観を聞く機会がありました。私は中途入社5年目で、これまでは他部署の人たちと接する機会が少なかったため、新たな発見がありました。現場で若手をマネジメントすることに苦労している人もいれば、世代間ギャップを楽しめている人もいます。管理職のさまざまな視点を知り、自分自身の今後のキャリアを考える上で大いに参考になりました。

キャリア自律支援を「管理職に必須のスキル」として定着させるために

鈴木氏:年を追うごとに、自分のキャリアを意識して、上司に対して成長機会や経験を求めたり、異動の希望を出したりする社員が増えてきています。「今はネットワークエンジニアだが、サーバーやストレージにも挑戦したい」など、具体的なキャリア展望を意思表示する人が増えました。

2024年からは社内公募制を本格的に導入しました。私は社内キャリアコンサルタントとして、希望者ほぼ全員と面談しています。もともとの狙いは「今の部署が嫌だから」といったネガティブな理由での異動希望を見極めることでしたが、実際に話してみると、全員がポジティブな理由で異動を考えていることが分かりました。

大阪の拠点で働いていたある社員は、「東京へ異動して新たなキャリアを積みたい」と考え、家族とも相談した上で単身赴任しています。キャリアを真剣に考える人が増えていることに、人事として大きな手応えを感じています。

そして、若手だけでなく上司側にも、キャリア自律の重要性が理解されるようになりました。管理職層から「研修で見せてもらった資料が欲しい」「部下との面談で活用したい」などと相談されることが増えてきたのです。これは5年前には考えられませんでした。

兼子氏: 私は前職で人材開発コンサルタントを務め、さまざまな業界・企業を担当し、多くの人事制度やキャリア形成施策を見てきました。キャリア形成に関する制度や研修は多くの企業でそれなりに整備されており、社員が自身の将来を考える「機会」は用意されていましたが、実際の活用や踏み込みについては、個人に委ねられているケースも少なくないと感じていました。

CTCテクノロジーでは、キャリア自律を制度論に留めず、事業のあり方と一体で考えている点に特徴があると感じています。24時間365日、チームで保守・運用サービスを提供するという事業特性があるからこそ、一人ひとり同じキャリアを描くのではなく、社員の数だけキャリアプランが存在するという前提に立っているように思います。

実際の職場でも、体調面の不安や、育児・介護といった個人の事情を抱えながらも、「それでも仕事を頑張りたい」「次のステップに挑戦したい」と考える社員に対して、どのような役割や経験を組み合わせれば、個人のキャリアとチームの安定運営の双方が成り立つのかを、日常的に考えている雰囲気があります。個人の事情に配慮することと、成長機会をあきらめることを、安易にイコールで結ばない姿勢を感じます。

価値観や人生観、働き方が多様化する中で、管理職がすべてを理解し、正解を示すことは簡単ではありません。それでも、CTCテクノロジーの管理職には「まず部下の話を聞き、一人ひとりの背景に耳を傾けよう」という姿勢があり、その積み重ねが社員にも伝わっているのではないでしょうか。

「部下のキャリア自律を支援することが、チームのパフォーマンス向上につながる」と信じて動く管理職が着実に増えています。一人ひとりの部下がどんな展望を持ち、何を実現したいと考えているのかを知る。これを、管理職に必須のスキルとして取り入れてもらえるようにしたいですね。

鈴木氏:今後は「キャリア・カフェ」を開催し、キャリア自律に向けて動き出している人を社内にどんどん紹介していきたいと考えています。そのなかで、キャリア研修についてもさらに社内への発信を強化していくつもりです。

(2025年10月取材)