事例紹介
専門職のキャリア課題に向き合う「管理職を起点」としたキャリア支援の形
エーザイ株式会社
自らのキャリアを言語化し メンバーのキャリアを支援する
高度な専門性を磨き上げる研究者は、専門性を深めるほど、特定分野のみを意識するような思考が強まり、
その結果、自身のキャリアに対する可能性を視野広く適切に捉えることが難しくなる傾向にあります。
エーザイ株式会社でも同様の課題が見られるようになり、「自分はどのようなキャリアを築くべきなのか」「社内でどのように活躍の幅を広げられるのか」と迷い、柔軟に将来像を描けないまま離職に至ってしまうケースも散見されるようになっていました。
これまで、個別サポートを試みてきたものの、体系的な支援ができているとは言い難く、
さらに上長側にもキャリア支援の基礎スキルが十分とは言えないという構造的な課題を抱えてきました。
そこで同社は、研究開発部門の社員にキャリアオーナーシップを意識してもらうことが重要であると考え、
その醸成に取り組む方針を決定しました。
そして、まず現場でメンバーと日常的にやり取りをしている管理職を起点に、キャリア支援を展開していく構想を描き、4日間の管理職向けキャリア研修を導入(今後も継続予定)。「自らキャリアを言語化し、メンバーに伝え、社内でのキャリアの可能性を拡張する」という文化を育むべく、キャリアオーナーシップ醸成に向けた新たな取り組みを開始しました。
今回はDHBL(Deep Human Biology Learning)本部の竹村淳志氏と大伴武司氏に、
キャリア研修導入の背景からその効果について伺いました。
その結果、自身のキャリアに対する可能性を視野広く適切に捉えることが難しくなる傾向にあります。
エーザイ株式会社でも同様の課題が見られるようになり、「自分はどのようなキャリアを築くべきなのか」「社内でどのように活躍の幅を広げられるのか」と迷い、柔軟に将来像を描けないまま離職に至ってしまうケースも散見されるようになっていました。
これまで、個別サポートを試みてきたものの、体系的な支援ができているとは言い難く、
さらに上長側にもキャリア支援の基礎スキルが十分とは言えないという構造的な課題を抱えてきました。
そこで同社は、研究開発部門の社員にキャリアオーナーシップを意識してもらうことが重要であると考え、
その醸成に取り組む方針を決定しました。
そして、まず現場でメンバーと日常的にやり取りをしている管理職を起点に、キャリア支援を展開していく構想を描き、4日間の管理職向けキャリア研修を導入(今後も継続予定)。「自らキャリアを言語化し、メンバーに伝え、社内でのキャリアの可能性を拡張する」という文化を育むべく、キャリアオーナーシップ醸成に向けた新たな取り組みを開始しました。
今回はDHBL(Deep Human Biology Learning)本部の竹村淳志氏と大伴武司氏に、
キャリア研修導入の背景からその効果について伺いました。
エーザイ株式会社
竹村 淳志 氏
DHBL本部 HRストラテジー&オペレーション部 日本・アジアHR室 室長
大学院にて有機合成化学を専攻し、2007年にPh.D.を取得。同年に入社。メディシナルケミストとして創薬研究に従事した後、2014年10月から研究開発部門人事を担当。部門人事にて、新卒・中途採用と新人育成から人財開発・マネジメント支援、組織人事、人事評価など、研究開発メンバーの人事業務を幅広く担当。
大伴 武司 氏
DHBL本部 HRストラテジー&オペレーション部 日本アジアHR室 ディレクター
大学院にて臨床薬剤学を専攻し1996年にPh.D.取得、同年入社。薬物動態研究に従事。2004年に研究開発部門人事に異動。採用(新卒・キャリア)、人財育成、人事評価等に携わる。現・神戸研究所に出向を経て、2018年から筑波研究所リノベーションなどを担当したのち、2023年より再度研究開発部門人事として、採用、人財育成中心に従事。
キャリア研修導入のきっかけ
専門性の高さがもたらすキャリア課題とその打破への挑戦
竹村氏:エーザイ株式会社は、医療用医薬品を中心に研究開発・製造・販売などの事業をグローバルに展開している製薬メーカーです。なかでも我々の研究開発部門では、Deep Human Biology Learning(DHBL)体制といって、エーザイ独自のヒューマンバイオロジー、つまり生体の生物学的な変化やゲノム、遺伝子情報などをデータで捉えながら、そのナレッジを強みとして、主に神経領域、がん領域、グローバルヘルス領域に対する新薬創出に向けて研究開発を行っています。
大伴氏:こうした専門性の高い分野に従事する社員のなかには、専門性を深めるほど無意識に視野が徐々に狭まり、本来自身のキャリア展開を柔軟に考えてもらいたいところ、「エーザイという環境で、自分の可能性や活躍の場を広げられるのか」といった悩みに直面することが少なくありません。その結果、将来の展望を描けなくなり、離職につながってしまうという残念なケースもありました。これは人財流出だけでなく、育成コストや組織のパフォーマンス低下、ひいては患者様貢献の実現を困難にする深刻な課題です。
竹村氏:こうした状況のなか、部門人事としてキャリア支援のために、キャリアの方向性に応じた業務の提案や、場合によっては配置転換を行うなど、メンバーのキャリアを支援する試みを進めてきました。しかし、メンバーとその上長双方に対して、体系立った支援ができていたかというと、正直難しい面もありました。
大伴氏:社員から寄せられる「やりたいことが見えない」「キャリアについてどう考えたらいいのかわからない」といった声に対して、私たちのキャリア支援のスキルや経験値だけでは十分な対応が難しいのが実情です。そこで、専門的な知見を持つ外部の力を借りて、まずは基盤を作り上げることが、社員と組織双方にとって魅力ある未来につながると考え、研究開発部門の全メンバーが柔軟にキャリアを考えられる環境を整え、我々部門人事がタイムリーにサポートできる体制を目指すことにしました。
メンバーに「キャリアについて考える」タイムリーな機会を提供し続けるため将来の内製化も視野にいれながら、我々の課題や状況を的確に理解し、それに合わせた提案をいただいたパーソルキャリアコンサルティング(現パーソルキャリア)へ、キャリアオーナーシップ研修を依頼しました。
大伴氏:こうした専門性の高い分野に従事する社員のなかには、専門性を深めるほど無意識に視野が徐々に狭まり、本来自身のキャリア展開を柔軟に考えてもらいたいところ、「エーザイという環境で、自分の可能性や活躍の場を広げられるのか」といった悩みに直面することが少なくありません。その結果、将来の展望を描けなくなり、離職につながってしまうという残念なケースもありました。これは人財流出だけでなく、育成コストや組織のパフォーマンス低下、ひいては患者様貢献の実現を困難にする深刻な課題です。
竹村氏:こうした状況のなか、部門人事としてキャリア支援のために、キャリアの方向性に応じた業務の提案や、場合によっては配置転換を行うなど、メンバーのキャリアを支援する試みを進めてきました。しかし、メンバーとその上長双方に対して、体系立った支援ができていたかというと、正直難しい面もありました。
大伴氏:社員から寄せられる「やりたいことが見えない」「キャリアについてどう考えたらいいのかわからない」といった声に対して、私たちのキャリア支援のスキルや経験値だけでは十分な対応が難しいのが実情です。そこで、専門的な知見を持つ外部の力を借りて、まずは基盤を作り上げることが、社員と組織双方にとって魅力ある未来につながると考え、研究開発部門の全メンバーが柔軟にキャリアを考えられる環境を整え、我々部門人事がタイムリーにサポートできる体制を目指すことにしました。
メンバーに「キャリアについて考える」タイムリーな機会を提供し続けるため将来の内製化も視野にいれながら、我々の課題や状況を的確に理解し、それに合わせた提案をいただいたパーソルキャリアコンサルティング(現パーソルキャリア)へ、キャリアオーナーシップ研修を依頼しました。
サービスの魅力
焦点を当てたのは管理職 臨機応変な研修設計
竹村氏:私たちの想定していたゴールとしては、社員が自らのキャリアについて考えてもらうのはもちろんのこと、「エーザイという会社のなかで」どうすればキャリアの可能性を広げられるかについて深く思いを巡らせてくれるようになってほしい、というものでした。
たとえ現在、自分のやりたいことが社内で実現できていない社員であっても、新たなキャリア観を身につけることで、これまで触れてこなかった領域で活躍の可能性を見出せるようなキャリア支援をしていきたいと考えていました。
大伴氏:社員が抱えるキャリアの悩みは、若手・中堅・シニア・管理職といった層ごとにさまざまです。そこで、はじめに、各層の課題感を洗い出すところから始めました。そのうえで、まずはメンバーを身近で見て日常的に接している管理職に焦点を当ててスタートすることに決めたんです。
竹村氏:管理職に最初に焦点を当てたのには、明確な狙いがあります。組織の中核となる管理職の意識と行動が変わることで、その影響はメンバーや若手社員を含む幅広い層へと波及しやすくなります。組織全体のキャリア意識を醸成するには、まずは管理職層を変革の起点にすることが最も効果的だと判断しました。
そんな私たちの想いをパーソルさんにお伝えしたとき、意図を汲み取ったうえでカリキュラムに反映していただいたのが非常に心強かったです。他社では2日間ほどの短い研修を組むケースが多いと伺いましたが、私たちの要望を聞いて、「十分な時間を確保し、じっくりと研修を進める必要がある」との判断で、結果的に半日の研修をのべ4回(今回はすべてオンライン形式で実施)という日程を確保していただいたのも、参加者の内省と実践的な学びを深めるうえで、非常に大きな効果をもたらしたと感じています。
大伴氏:さらに、この研修のありがたかった点として、あらかじめ決まったパッケージ型のカリキュラムを4日間(半日研修を4回)行うのではなく、私たちのリクエストに応じて適宜アレンジを加えながら、研修実施時に場面によっては双方向での対話を意識してチャットを使うなど、臨機応変に進めていただけたことです。また講義内容そのものも、各回終了後のアンケートで、受講者の理解度・習熟度などを把握しながら、次回の研修内容が最も効果的なものになるよう、我々事務局との間で確認・検討・修正するなど、緻密な進め方をしていただきました。臨機応変にかつ非常に丁寧に対応していただいたことで、結果として多様な学びを提供する研修となりましたし、研修実施に対する講師サイドのあるべき姿勢を学ばせていただいたという意味でも、大変勉強になりました。
たとえ現在、自分のやりたいことが社内で実現できていない社員であっても、新たなキャリア観を身につけることで、これまで触れてこなかった領域で活躍の可能性を見出せるようなキャリア支援をしていきたいと考えていました。
大伴氏:社員が抱えるキャリアの悩みは、若手・中堅・シニア・管理職といった層ごとにさまざまです。そこで、はじめに、各層の課題感を洗い出すところから始めました。そのうえで、まずはメンバーを身近で見て日常的に接している管理職に焦点を当ててスタートすることに決めたんです。
竹村氏:管理職に最初に焦点を当てたのには、明確な狙いがあります。組織の中核となる管理職の意識と行動が変わることで、その影響はメンバーや若手社員を含む幅広い層へと波及しやすくなります。組織全体のキャリア意識を醸成するには、まずは管理職層を変革の起点にすることが最も効果的だと判断しました。
そんな私たちの想いをパーソルさんにお伝えしたとき、意図を汲み取ったうえでカリキュラムに反映していただいたのが非常に心強かったです。他社では2日間ほどの短い研修を組むケースが多いと伺いましたが、私たちの要望を聞いて、「十分な時間を確保し、じっくりと研修を進める必要がある」との判断で、結果的に半日の研修をのべ4回(今回はすべてオンライン形式で実施)という日程を確保していただいたのも、参加者の内省と実践的な学びを深めるうえで、非常に大きな効果をもたらしたと感じています。
大伴氏:さらに、この研修のありがたかった点として、あらかじめ決まったパッケージ型のカリキュラムを4日間(半日研修を4回)行うのではなく、私たちのリクエストに応じて適宜アレンジを加えながら、研修実施時に場面によっては双方向での対話を意識してチャットを使うなど、臨機応変に進めていただけたことです。また講義内容そのものも、各回終了後のアンケートで、受講者の理解度・習熟度などを把握しながら、次回の研修内容が最も効果的なものになるよう、我々事務局との間で確認・検討・修正するなど、緻密な進め方をしていただきました。臨機応変にかつ非常に丁寧に対応していただいたことで、結果として多様な学びを提供する研修となりましたし、研修実施に対する講師サイドのあるべき姿勢を学ばせていただいたという意味でも、大変勉強になりました。
キャリア研修の内容
「キャリアオーナーシップ」と「組織との調和」と「メンバー支援」
4日間の濃厚な研修
竹村氏:今回の研修は、キャリアオーナーシップを持って自分自身を見つめ、組織の方向性と自分の目指す方向を調和させること、そして管理職がメンバーのキャリアオーナーシップを支援する状態を作ることを目的として実施しました。研修は4回にわたり実施され、それぞれ明確なテーマが設定されていました。
DAY1では、まず管理職に就いている受講者自身のキャリアについて深く考える場を提供。DAY2では、メンバーのキャリア支援を行ううえで、その意義や上司としての役割について学んでもらいました。その後DAY3、DAY4では、実践的なワークを中心に構成し、メンバーへのキャリア支援に向けての対話の仕方や言語化の技術、さらにエーザイならではのビジョン・ミッションと個人のキャリアを重ね合わせるプロセスなど、オリジナルのプログラムを実施しました。
大伴氏:特に私が印象的だったのは、DAY1・DAY2のパートです。時間が経つにつれてじわじわと影響を与えるボディブローのような効果の実感がありました。
普段から管理職の人たちが、自分の、ましてや他者のキャリアについて深く考えているかというと、自分自身のことを客観的に見つめ直した経験が少ないこともあり、必ずしもそうではありません。むしろメンバーからキャリアについて相談され、「どう対応したらいいのか」と戸惑う上司もいるくらいです。そんな受講者にとって「今こそキャリアを考えましょう」というのは、新鮮な感覚があったのではないでしょうか。
竹村氏:私自身もこの研修に受講者として参加しましたが、受講者にとって「苦しい」ものではないかと感じていました。
なぜ自分がいまこの仕事をやっているのかを問い直し、さらにそれを組織のビジョンと結び付けたうえでメンバーに向けて言葉として紡ぎ出す──そのプロセスは、とことん自分と向き合わないとできないわけですから。しかし、この「苦しい」という感覚は決してネガティブなものではなく、自分の想像していた以上の学びと実践的な効果を生み出す契機にもなったかと思います。自己探索から他者支援へつながる思考の変革をもたらす起点になったという意味で、非常に価値のある経験でした。
DAY1では、まず管理職に就いている受講者自身のキャリアについて深く考える場を提供。DAY2では、メンバーのキャリア支援を行ううえで、その意義や上司としての役割について学んでもらいました。その後DAY3、DAY4では、実践的なワークを中心に構成し、メンバーへのキャリア支援に向けての対話の仕方や言語化の技術、さらにエーザイならではのビジョン・ミッションと個人のキャリアを重ね合わせるプロセスなど、オリジナルのプログラムを実施しました。
大伴氏:特に私が印象的だったのは、DAY1・DAY2のパートです。時間が経つにつれてじわじわと影響を与えるボディブローのような効果の実感がありました。
普段から管理職の人たちが、自分の、ましてや他者のキャリアについて深く考えているかというと、自分自身のことを客観的に見つめ直した経験が少ないこともあり、必ずしもそうではありません。むしろメンバーからキャリアについて相談され、「どう対応したらいいのか」と戸惑う上司もいるくらいです。そんな受講者にとって「今こそキャリアを考えましょう」というのは、新鮮な感覚があったのではないでしょうか。
竹村氏:私自身もこの研修に受講者として参加しましたが、受講者にとって「苦しい」ものではないかと感じていました。
なぜ自分がいまこの仕事をやっているのかを問い直し、さらにそれを組織のビジョンと結び付けたうえでメンバーに向けて言葉として紡ぎ出す──そのプロセスは、とことん自分と向き合わないとできないわけですから。しかし、この「苦しい」という感覚は決してネガティブなものではなく、自分の想像していた以上の学びと実践的な効果を生み出す契機にもなったかと思います。自己探索から他者支援へつながる思考の変革をもたらす起点になったという意味で、非常に価値のある経験でした。
キャリア研修の導入効果
気づきと変化の芽 一過性で終わらない持続的サポートを
竹村氏:キャリアオーナーシップ研修を受けた管理職からは、「こんなことについて考えた経験がなかったので、とてもいい機会になった」「手上げ制ではなく全員が受講するべきだ」などの好意的な声が寄せられています。特にDAY1からDAY4まで、日を追っていくごとに有益性を実感した受講者が多かったようです。
一方で、「自らのキャリアを口に出して他者に伝えることの難しさ」を感じたという声も少なくありません。ただ、それまで無自覚だった課題に気づけた点は、自らのキャリアとメンバーのキャリア支援を見つめなおす第一歩として前向きな変化だと私は捉えています。キャリア形成には、こうした自己認識の深化が重要な柱となります。
大伴氏:私のもとには、とても感銘を受けたという受講者がやって来て、いかに研修が有意義だったかを熱心に語ってくれました。
その方はアカデミアから中途採用で入社し、当社に来るまでは長年研究職一筋の方です。体系的に学んだり、自分で考えたりするキャリア研修を受けたことで新たな世界が広がったようでした。
それから、研修を受けた管理職のチームメンバーにも話を聞く機会があったのですが、上司が研修を受けて以来、1on1などの際に自分のキャリアについて言及してくれることが増えたと話していました。
竹村氏:このケースのように、研修後すぐに適切にアプローチできるようになることが理想ではありますが、すぐに顕著な変化を期待するのは難しいとも思っています。受講者が、未受講者に対してキャリアを自分事化することとキャリア支援の重要性を伝えるなど、小さな行動が積み重なっていき、組織としてキャリアオーナーシップ文化の醸成につながっていければ嬉しいというのが正直なところですね。
大伴氏:研修がもたらすインパクトが本質的であるほど、そのインパクトは一過性ではなく持続しますし、長く根付かせられるかどうかはその後のキャリア形成にとって一番の鍵だと考えています。私たちとしても「研修を実施して終わり」というのではなく、フィードバックをもらいながら一年後、あるいはその先まで変化を追いかけていきたいです。もし途中で認識のねじれが生じるようなことがあれば、必要に応じて介入し、研究開発部門人事からもサポートできるような体制は整えていく予定です。
一方で、「自らのキャリアを口に出して他者に伝えることの難しさ」を感じたという声も少なくありません。ただ、それまで無自覚だった課題に気づけた点は、自らのキャリアとメンバーのキャリア支援を見つめなおす第一歩として前向きな変化だと私は捉えています。キャリア形成には、こうした自己認識の深化が重要な柱となります。
大伴氏:私のもとには、とても感銘を受けたという受講者がやって来て、いかに研修が有意義だったかを熱心に語ってくれました。
その方はアカデミアから中途採用で入社し、当社に来るまでは長年研究職一筋の方です。体系的に学んだり、自分で考えたりするキャリア研修を受けたことで新たな世界が広がったようでした。
それから、研修を受けた管理職のチームメンバーにも話を聞く機会があったのですが、上司が研修を受けて以来、1on1などの際に自分のキャリアについて言及してくれることが増えたと話していました。
竹村氏:このケースのように、研修後すぐに適切にアプローチできるようになることが理想ではありますが、すぐに顕著な変化を期待するのは難しいとも思っています。受講者が、未受講者に対してキャリアを自分事化することとキャリア支援の重要性を伝えるなど、小さな行動が積み重なっていき、組織としてキャリアオーナーシップ文化の醸成につながっていければ嬉しいというのが正直なところですね。
大伴氏:研修がもたらすインパクトが本質的であるほど、そのインパクトは一過性ではなく持続しますし、長く根付かせられるかどうかはその後のキャリア形成にとって一番の鍵だと考えています。私たちとしても「研修を実施して終わり」というのではなく、フィードバックをもらいながら一年後、あるいはその先まで変化を追いかけていきたいです。もし途中で認識のねじれが生じるようなことがあれば、必要に応じて介入し、研究開発部門人事からもサポートできるような体制は整えていく予定です。
今後の展望
体系的かつ発展的に進化~さらなるキャリア支援体制強化へ
竹村氏:私たちがもともと抱えていた「離職者の増加」という課題に関して言えば、正直なところ、まだ解消はされていません。
しかし、今回のキャリア研修をはじめとするキャリア支援を継続していくことで、キャリアオーナーシップの醸成につながり、最終的には離職率の抑制につながると信じています。
キャリアに関する悩み、例えば「将来が見えない」「不安がある」というテーマは、職種や役職を問わず多くの社員に共通する課題であると考えています。今回の取り組みでは、管理職を対象にしましたが、将来的には次世代の管理職候補者や各年代を対象とするなどアプローチを強化していくことを視野に入れていきたいと考えています。
大伴氏:管理職から働きかけるという研究開発部門人事の取り組みは、当社の中でも非常に意義のある挑戦だと捉えられています。
将来的には本社人事が新人層あるいはシニア層などを中心に、私たち部門人事が担当長などの管理職層を中心に培ってきた研修ノウハウを相互に共有し、連携を強化していくなどの役割分担をしていければ理想的です。階層ごとの知見を持ち寄ることで、キャリア支援の取り組みをより体系的かつ発展的に進化させていけると期待しています。
(2025年11月取材)
しかし、今回のキャリア研修をはじめとするキャリア支援を継続していくことで、キャリアオーナーシップの醸成につながり、最終的には離職率の抑制につながると信じています。
キャリアに関する悩み、例えば「将来が見えない」「不安がある」というテーマは、職種や役職を問わず多くの社員に共通する課題であると考えています。今回の取り組みでは、管理職を対象にしましたが、将来的には次世代の管理職候補者や各年代を対象とするなどアプローチを強化していくことを視野に入れていきたいと考えています。
大伴氏:管理職から働きかけるという研究開発部門人事の取り組みは、当社の中でも非常に意義のある挑戦だと捉えられています。
将来的には本社人事が新人層あるいはシニア層などを中心に、私たち部門人事が担当長などの管理職層を中心に培ってきた研修ノウハウを相互に共有し、連携を強化していくなどの役割分担をしていければ理想的です。階層ごとの知見を持ち寄ることで、キャリア支援の取り組みをより体系的かつ発展的に進化させていけると期待しています。
(2025年11月取材)