パーソルキャリアコンサルティング
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パーソルグループがグループ内の社員に対して実施している
キャリア自律支援プログラム

一人ひとりの自律的なキャリア形成が求められる昨今、企業はいかにして社員のキャリア意識の醸成を支援すればよいでしょうか。パーソルホールディングス株式会社ではグループ内における「自律型社員の育成」を目指し、独自のキャリアデザインワークショップ「※Smyle」(キャリア研修)を開発しました。

同ワークショップは2019年からグループ内での展開が開始され、約3年間で累計2,000名以上が受講。グループ内におけるキャリア意識醸成やキャリア形成に向けた行動変容を促しています。この成果を受け、パーソルキャリアコンサルティングは同ワークショップのサービス展開を決定しました。

パーソルホールディングスが独自に開発したキャリアデザインワークショップ「Smyle」の開発時にキャリアをどのように定義したのか、受講者の変化を期待しているのかなど、開発に携わった平沢恵美さんと石原早希さんのインタビュー内容をお届けします。

※『Smyle(スマイル)』は、My Style(自分のスタイル)とSmile(はたらいて、笑おう。)を掛け合わせた造語。

キャリアは「“働くこと”も含めた生き方そのもの」と定義し、
グループ独自のキャリア研修を開発

まずは、キャリア研修の開発に至る経緯をお聞かせください。

平沢さん(以下、平沢):2016年に現在のパーソルホールディングス株式会社の前身となる組織が設立され、グループ約90社の統合に向けた動きが活発化しました。それに伴って、グループ人事中期経営計画が策定されました。

その中のテーマの一つだったのが「専門性の高い自律型社員の育成」です。「グループの全社員にキャリア研修を実施し、社員一人ひとりのキャリアにおける『Will・Can・Must』を理解する機会を提供すること」が、目標に掲げられました。

開発に際して、以前、グループ内個社にて行っていた研修を参考に、人数が10倍になった新たなグループ体制に適したキャリア研修の検討が始まりました。

新たなキャリア研修を開発する際に、注意したことや重視したポイントについて教えてください。

平沢:一般的に、キャリア研修の目的は「人材育成」「モチベーション向上などの厚生施策」「戦略的人材配置を促す人事施策」の3つに分類できます。

当初は、これらの全てを包括することを目指しましたが、社員のキャリアアップや管理職へのアセスメントを推進する「戦略的人材配置を促す人事施策」については、他の人事施策や評価制度などで対応することとして、「人材育成」「モチベーション向上などの厚生施策」に重点を置きました。また、新たなキャリア研修では「キャリア」を独自で定義しています。

開発時には他社が提供しているさまざまなキャリア研修サービスの情報を収集し、調査・分析したのですが、その多くが「組織内で末長くキャリアを重ねるには?」「転職でより良いキャリアを築くには?」といった内容が主で、「人生全体からキャリアを捉えて、位置付ける」といった観点で設計されたものはそれほど多くなかったように感じました。

そこで、当グループの新たなキャリア研修では、キャリアを「“働くこと”を含めた生き方そのもの」と定義し、社員が人生(キャリア)の振り返りと今後の展望を考えることを通じて、意欲的にパーソルでの仕事を通して成長することを支援するようなプログラムとしました。

引用元:Smyleワークショップ映写資料より

管理職向けとメンバー向けの2種類のプログラム

キャリア研修の提供を通じて、受講者にどのような変化を期待していますか。

平沢:キャリア研修では「“働くこと”も含めた生き方そのもの」というキャリアの定義に基づき、受講者が「自分にとっての幸せとは何なのか」「自分は何に満足感を感じるのか」を言語化するプログラムを提供しています。それにより、受講者のキャリアに対する内発的動機を高めることが目的です。

これは、言い換えると「“足る”を知るためのプログラム」と言えるかもしれません。これまで向き合ってきた社員の声を通して、人は自らにとっての幸せが何かを言語化せずに、他者と比較して不安感を抱えていると感じていたため、人との比較ではなく、自分の想いをしっかり言語化することをしたいと考えました。

そのため、キャリア研修では、受講者自身の想いをとにかく言語化することを通じて、「自分らしいキャリアの築き方」を促すことを目指しています。

どのようなプログラムを提供しているのでしょうか。

平沢:グループ内への効率的なプログラム展開を目指し、課長級を対象とした管理職向けプログラムとメンバー向けプログラムの2種類を提供しています。

管理職向けプログラムは、管理職が部下のキャリア支援を実施できるように養成する内容です。「部下のキャリアの『Will・Can・Must』を引き出すには何をすればよいか」に焦点を当て、その実践的な方法について講師がレクチャーします。

具体的には、キャリア支援を行う際のインタビューシートについて講義し、受講者にはその後のグループワークを通じて、インタビューシートの使い方に慣れてもらいます。

キャリアは人の思いや生き方に大きく関わるため、キャリア支援は抽象的な話に終始してしまうことが少なくありません。そうならないために、具体的なツールの使い方をレクチャーするなど、「キャリア支援のHow」を徹底的に学べるプログラムにしています。

一方で、メンバー向けプログラムは、キャリアを考えるうえでのフレームを提供する内容です。キャリアにモヤモヤした悩みを抱えている受講者に対して、その思いを言語化するヒントを提供します。

具体的には、専用のワークシートを作成することで自らへの理解を深め、その後、他の受講者とのコミュニケーションを通じて、「Will・Can・Must」を明らかにしていきます。

ここでのポイントは、メンバー向けプログラムは、受講者が「キャリアについて考えたい」という意思を持っていることが前提になっていることです。自律的なキャリア形成を促すためには、「Will・Can・Must」を自らの意思で見出さなければなりません。そのため、メンバー向けプログラムは、強制的に受講させるのではなく、公募制で社内に展開しています。

 

受講者の82%が「キャリアに対する意識が変化した」。
ミドルシニア層の意識変容も確認

キャリア研修の実施状況についてお聞かせください。

石原さん(以下、石原):2019年の春から管理職向けプログラムとメンバー向けプログラムの展開を開始。管理職向けプログラムは3年間で課長職全員が受講することを目標とし、メンバー向けプログラムは公募制で展開しました。

まずは、課長職全員が部下のキャリア支援を実施できる体制を目標に、管理職向けのプログラムに注力しました。

その後、3年に渡ってキャリア研修を実施した結果、現在までの総受講者数は管理職向けプログラムが1,300名(受講予定を含む)、メンバー向けプログラムが約1,000名。管理職向けプログラムについては2022年度で課長職全員が受講を終える予定です。
そのため、今後は、ミドルシニア層向けのキャリア研修の強化も検討しております。また、グループ横断で展開しているキャリア相談窓口やグループ内複業制度等とキャリア研修を連動させながら、キャリア施策のさらなる推進をはかっていきたいと考えております。

キャリア研修による効果はいかがですか。実施後に社内に変化はあったでしょうか。

石原:キャリア研修の実施後と半年後に2度アンケート調査を実施し、効果検証を行っているのですが、管理職向け・メンバー向けともに高い効果が確認されています。例えば、実施後アンケートでは、受講者の82%が「キャリアに対する意識が変化した」と回答。

さらに、受講者の一部には「仕事に対する意欲が変化した」との声も上がっています。受講者が特に効果を感じた点としては「キャリアを考えることの動機付けが出来た」「自己理解が深まった」「他者に考えを話すことにより刺激を受けた」などの回答が多いです。

また、半年後のアンケートでは、キャリア研修の受講をきっかけに「外部セミナーに参加した」「社内公募に立候補した」と回答する社員もいて、行動変容の効果を確認しています。

年代別にキャリア研修の効果に違いはあるでしょうか。

石原:どの年代とも概ね高い効果が出ていますが、中でもミドルシニア層は受講後のNPS(受講満足度)が高くなる傾向にあります。おそらくミドルシニア層は、社内での立場などもあり、自分のキャリアについて考えたり、それによって自己肯定感を覚えたりする機会が少ないのだと思います。
実際に、受講後のアンケートでは「キャリアについて考えるのは若手社員の特権だと思っていた」「同世代で研修に参加し、小さな1歩を踏み出す勇気をもらえた」「この年齢でもチャレンジしてもいいと知った」といった回答が多く、キャリアに対する意識変容が確認されています。

 

「Smyle」のすすめ

キャリアデザインワークショップ「Smyle」は外部企業へサービス展開されています。どのような企業にキャリア研修を勧めたいですか。

平沢:近年、人事領域では『D&Iマネジメント』『人的資本経営』など、さまざまなトピックが取り上げられています。その中で、ソリューションの一つになりえるのはキャリア開発だと思います。Smyleの目的はさまざまに変化させることができるので、取り入れ方が大切です。

石原:組織規模が大きいほどキャリア開発研修の重要性を認識し、導入しているケースも多いですが、組織の拡大を狙っている企業であっても有益だと考えます。キャリアについて考え、お互いに共有する機会を設けることで、社員との関係性を強固にしながら組織拡大を推し進めることができると思います。

最後にキャリアデザインワークショップ「Smyle」の活用ポイントをお聞かせください。

平沢:Smyleは受講前にワークシートなどの事前課題を済ませる必要がありますが、当初は事前課題を実施せずに受講する社員が少なくありませんでした。
しかし、そのうちに「事前課題をやってから受講することで、研修がより有意義なものになる」という口コミが社内に広がり、結果的に受講者のほとんどが事前課題を済ませてくるようになりました。

そのため、キャリア研修を導入する際は、まずは公募制で展開し、社内の機運を高めながら本格導入するのが有効だと思います。

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